DAIKYU DIARY 大九日誌

シンコーストゥディオ代表 米井がつづっています

人とのつながりを実感するビジネス- ジュエリーを売るということ

子供たちが成長していく喜び


昨晩はとても寒かったのですが、そんな中、中学生になったお客様のお子さんが顔を出してくれました。
世田谷のショップは路面店なので、自転車で来てちょっと会釈したのが見えたので外に出て話をしました。
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彼が最初にお店に来たときは、幼稚園だったか、まだ小学校に行く前だったような気がします。うちのお店は、なんだか子連れが多いです。
この写真も新作パーティの様子。

ホテルでエグゼクティブな感じでするのもいいけれど、いつものお店で、いつも食べに行く地元のイタリアンをデリバリーしてもらって気楽なのもいいですね。
素敵な女性シェフとご主人がなさっているイタリアンを囲んで、お客様はご家族で来てくださったりします。
お客様同士がお友達になっていくのも、地域のコミュニティの1つの役割を果たしているような気がして、楽しいです。

正直、そのときジュエリーが売れるか?というとすぐには売れないのですけど、そうやって集まってきた子供たちが、少しずつ成長していくのも、とてもやりがいがあるのです。

地域のコミュニティで果たす役割


ジュエリーショップというと、敷居が高いですね。
価格帯も、高いですし、正直「千歳船橋」などというローカルな世田谷の小田急線の駅で、こんな高額品を扱っているのはうちぐらいです(笑)
でも、一度入るとゆっくりお客様もお話ができる。
子供の心配や、家族の心配、仕事、進学、就職....色々な話を伺います。

「これって、人生相談に似ているかも?」と時々思ったりもしますが、聞いているだけですから、それほどのものでもありません。
でも、このショップに来て、少しほっとできる時間を持っていただけたら、地域のコミュニティの快適な要素のひとつとして、少しは役に立っているかもしれない。

そんなことを、実感する中学2年生男子の突然の訪問でした。
来年は受験、将来心理療法士を目指しているということで、勉強をがんばっているらしいです。

なにより、おばさんはこうやって声をかけてくる若者に、未来の希望を感じるのだよ....ということを書きたかったのです。




シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

地域コミュニティとジュエリー

昭和な存在


ジュエリーショップと地域コミュニティって、最も遠い存在のような気がするけれど、うちの場合はそうでもない。
実は、地方地方にジュエリーショップがあって、100年を超えているような、時計、めがね、ジュエリーのお店も少なくない。こんな田舎に!って思うようなところが結構あって正直、100年企業なのですごいなあと思う。

どうしてこういったジュエリーショップが残っているのか?

それは、地域のお金のある人が集うある種のコミュニティが形成されているからだと思います。

おじいちゃん、おばあちゃんの代から孫まで、ずっと長いお付き合いをしている。

ところが、この構図が崩れつつあります。

今までは、みな物が欲しい時代だったから、お店に人が集まる、買い物を楽しみにする文化がありました。
けれど、今はもう高いものを手に入れて、それで満足を得るというライフスタイルがどうもしっくりこなくなった。
しかもそういったジュエリーショップはなんとなく昭和の感覚。

社会の動向を察知する感覚に優れている人には、少々ものたりないのでしょう。

憩いの場を作る


結局のところ、ジュエリーを売ろうとか、そういったことだけを考えているとちょっと難しいのかもしれません。

とはいえ、今どういう場がお店として求められているのだろうか?

これは何も、ジュエリーショップにかぎったことではないのかもしれない。
たぶん、時代に求められているものを日々努力して察知し、地域に何かしら楽しめる場所を提供する、ということに尽きるのかもしれない。


私たちのビジネスは、安いものではないし、すぐ売れるものでもない。
だからこそ、もう少しゆったり、皆が求めているほかのものと結び付けて憩いの場を作ることはできないだろうか?

そんなことを思ったので、2017年はちょっと色々な企画を練って見ます。


シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

ジュエリーとCSR

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無謀なJAJの始まり


シンコーストゥディオで進めている活動のひとつに、若手のジュエリークリエーターが集まれるコミュニティ「ジュエリー・アーティスト・ジャパン」があります。先日表参道の東京ウィメンズプラザで「ジュエリーを考える・造る・売る人たちのための交流会」を開催しました。

これは、2012年に私が立ち上げたコミュニティです。ジュエリー製作をしているうちに、職人の方は高齢化し若手が育っていない。したがっていいものが出来上がってこない。やり直しが何回もある。という状況が何度か続きました。また、デザインを社内だけでやることに非常に限界を感じていました。

そこで、ではまず人を集めて少しずつ勉強会やセミナーをやろうと。いいものを作るには、まず共通した認識や意欲、そしてあふれ出るようなアイデアをもった人たちを集めること。きっと人が集まるところには、必ず何かが起きるだろう?と思いました。
でも、そういう人を集めるにはどうしたらよいのだろう?彼らにとって、魅力的な集まりって何だろう?しかも私は世田谷のしがないジュエリーショップのオーナー。どうしたら人が集まるのかな?
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皆が欲しい価値を提供する


これはおそらく商売と同じなのでしょう。皆が欲しい情報や場を提供することが大事なんだなと思いはじめました。とはいえ、当初は(今でも)何か押し売りに来たと思われたり、怪しいセミナーの勧誘と思われたり。確かに、ジュエリー業界には、業界の有名な人が開催するセミナーはあっても、若手が参加していく集まりというのはありませんでしたし。ましてや企業のCSR(Corporate Social Responsibility社会的責任) の認識や意識は、他業種に比べて恐ろしく遅かったのではないでしょうか?

仕事をするなら、「人」が中心」の仕事にする


CSRという言葉にしてしまうと、かなり大げさですが、つまるところ、お客様や仕事を共にする仲間と人情味あふれる付き合いをしたいということです。身につける「人」だけではなく製作している「人」、売る「人」そのすべてが、まず「人」として愛情のある仕事の仕方や付き合い方をできないだろうか?と考えています。とにもかくにも、「人」が中心いる仕事にしたいと思っています。

少しずつ人が集まってきました


そんなこんなで少しずつ人が集まってきたので、この人たちをお互いに交流させてら、面白い科学反応が起きそう。そこで企画したのが、今回の交流会です。

UKからのフェローシップも参加


たまたま、UK(イギリス)から前夜日本に着いたばかりの、28歳の優秀な彫りのクラフトマンも参加。とてもモチベーションが高くて、とてもいいムードメーカーになりました。
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ジュエリーとSCR


ジュエリーとSCRは水と油のように考えられているかもしれませんが、私はそうは思いません。
ジュエリーこそ、人生に寄り添うものだから、人の心の部分をケアすることができるかも知れない。それがある意味CSRなのではないかな?と考えています。

シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

古民家に泊まる

飛騨の古民家


「クールな田舎をプロデュースする。」を合言葉に飛騨古川を中心に展開しているSTOYAMA EXPERIENCE(里山エクスペリエンス)。現在インバウンドの個人観光客の成功例として、社会から注目を浴びています。
STOYAMA EXPERIENCEが運営している古民家のホテル、「板倉の宿 種蔵」に泊まってきました。
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里山で何もないことを楽しむ


この種倉集落は20人以下の人口しかいない、いわゆる限界集落です。「ここに宿泊施設を作ることによって、この集落を活性化したい。」というミッションをもって、この種蔵の古民家のホテルが出来上がりました。
私はというと、この集落のほぼ中心に位置する小高い丘の頂点に登り、一時間以上でしたでしょうか?そこにただ、佇んで山の形、風によってどんどん変わる雲の様相をずーっと眺めていました。

東京にいるときは、日々の時間や仕事に追われ「頭を空っぽにする」という時間をなかなか持てない。こういう時間を「無駄」として切り取ってしまっているのです。ましてや、今回は下の息子が高校を卒業し、同行するものがいないほぼ一人旅に近い状態でしたので、この「里山でなにもしないこと」を楽しめたと思います。


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里山と日本のもの造り-ジュエリー


一方で、おそらく日本にはどれだけの数のこういった集落があり、同じ問題を抱えているのだろうか?それは、なにもこの里山に限ったことではなく私が携わっているジュエリーをつくり上げるという仕事にも共通しています。
確実に、ジュエリーの製作に関しても若いクリエーターが減ってきている。クラフトマン、アーティスト、デザイナー。
長く培われてきた、もの造りのノウハウが引き継がれなくなっている。そういう危機感を数年前から持ち、一人ではじめたのがジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)という活動です。

ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)


元を正せば、少しずつクラフトマンが老齢化してきて、なかなか完成度の高いものが一回で上がって来なくなった。そして、どうしたら人の心に寄り添えるような意味のあるデザインと、世界に通じるような想像力を持ったジュエリーを創れるんだろうか?と、何度も自問自答し、そうしているうちにきっと人材はいるのだけれどその人たちの力を活用できていないのではないか?という考えに達しました。
じゃあ、「人を集めるところからやってしまおう!きっと人が集まるところには何か起こる。」
そして、それをシンコーストゥディオだけのリソースにしてしまうのはもったいないし、ジュエリー業界はもちろん、業界を超えた人的共有財産になったらいいな?と考えてやっているのが、この活動。
ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

正直、この活動の話に色々なところに行くと、「米井さんがやっているのはボランティア?お金にならないのになぜやっているの?」と不思議に思われたり、何かを押し売りされるのでは?と明らかに嫌がっている人など、様々な対応を受けることも。(笑)

しかし、一方でまだまだ小さな活動ながら、この一年ちょっとで爆発的に考えに同調し手助けをしてくれる人が増えました。これは
里山の復興にしたって、ジュエリーのもの造りにしたって、結局べたべたした人と人とにつながりから、さまざまなアイデアが生まれたり、いい仕事につながったりしているんだと感じています。


アーティスト&クラフトマンとコラボレーションのジュエリー


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そして、5月末に発表したのが、Surface[面と線]のペンダント、ドイツで活動している、日本人のコンテンポラリー・ジュエリー・アーティストの西林佳寿子と、若手クラフトマン、そしてデザイナーのコラボレーション。単純な正方形・長方形・楕円形の線を組み合わせています。この組み合わせの角度や方向性等に相当のディスカッションを重ねたことか。
キーワードは「多面性」「多様性」。
物事は別の角度から見ることで、ハッとした驚きやとんでもなく新しい世界が広がってくる。
というメッセージをこめて、内側のみがキラっと光るジュエリーです。

かなり、私の、いや創った人間たちの想いが反映されたものです。

でも、そんな重たいメッセージは受け取らなくっていいのです。ただ形がきれい、光がかっこいい。それでいいよねって思います。
ジュエリーってそういうもの、そうありたいですね。

シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

日曜のシンコーストゥディオ

4月から、シンコーストゥディオの世田谷のお店では、日曜日も開店しております。
せっかくなので、地域の方が集まれるような場所にしたいな?と考えています。

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4月の最終日開催したイベントは「ダイヤモンドの4Cを知ろう」

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ダイヤモンドの4Cってよく聞くけれど、よく分からない?そんな声にお答えしての開催でした。
当日は、1Ctアップ越えのダイヤや、ペアシェイプ、ちょっと珍しいステップカットのダイヤモンドなども、ダイヤ商人のように、ルーペで覗いて、確認していきました。


最初はぎこちなかった、ピンセットやルーペの使い方も、使っているうちに、なかなか様になって、中のインクルージョン(内包物)なども、見えて来たようです。
ダイヤモンドは、皆同じに見えても、一つ一つ性格があるのです。皆、それぞれ表情があるのです。こちらが「プロット」と言って、ダイヤモンドの特徴を現した正式な図です。
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細かいことは、いいのですが、私はこういった一般的には「欠点」といわれるものがあるダイヤが結構いとおしかったりします。勿論、ダイヤの綺麗さを求める場合には、欠点は少なければ少ないほどいいでしょう。

でも、大抵の場合、大きさや予算の関係で、こういったダイヤモンドにめぐり合うこともあります。でも、真ん中に決定的な内包物がない、とか、内包物があっても光を阻害しない、などの場合、こういうのもありかなあ?と思っています。

なにより、最初に裸眼で石に出会ったときのインスピレーションを大事にして欲しいと考えています。何しろ、地球上の反対側から、地中の奥深くから掘り出されて、今ここで出会っていることを思うと、何とも不思議な感じがします。人間にも色々いるように、ダイヤモンドは自然のもの。だから、色々あるんです。
人と同じで出会いを大切にして欲しい。

そんなメッセージを伝えつつ、最後にマスカットティーを飲みながら、皆さんでしばし対談。とても有意義な日曜の朝でした。

シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

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