DAIKYU DIARY 大九日誌

シンコーストゥディオ代表 米井がつづっています

ジュエリーを身につける時間と価値について

IT-人につながるまで


前回はジュエリーをつくる側の時間(ジュエリーをつくる時間と価値について)について書いて見ましたが、今回は買う方、身につける方について書いてみようと思います。


いま、人と直接話すまでに、本当に大変だ。
ネットでの問い合わせを見ると、まず、メールでお問い合わせください。>チャットできます。>さがして、さがして電話番号を見つけて、電話すると>「ただいま電話が込み合っています。」>やっとつながる。
とても、言葉使いはいいけれど要領を得ない。
また時々、日本語能力もおぼろげな海外につながっていたりもする。

そんなことが当たり前になっています。

皮肉なことに、ITを使うことによって、かえって時間がかかるようになってしまった。

理解してくれる人につながるまでが、一苦労。

しかし、ウェブやネットを否定する訳ではないのだけれど、どうやら、私の商売はもう少しゆっくりとした時間の流れをお客様が求めている様な気がします。

ものづくりにかかった時間や、アイデアを練る時間、そして何よりお客様とゆっくり向かい合い話す時間。
それが、お金を払っても高くないと思える根拠になっている様な気がします。
けっこうそういった、縁側での茶飲み話的なことをするのは、今の社会では容易ではありません。

どれだけ関わってくれるか


わたしだったら?
長くいいものを買うとき、いっぱい聞きたいし、いっぱい話したい。
迅速な対応もして欲しい。

「つまりどれだけ、自分に関わってくれるか?」
それは、お金だけの問題ではなく、人として気持ちよくお互いにできるかという問いかけなのかもしれません。

その一方で、ものを提供する側は、ますますスピードやITの活用を要求される。

だからこそ、つくる側、売る側、つける側の皆が納得する方向性を探っていかなければと、日々考えています。

シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

バーミックス-良いものを長く、愛着をもって使う

ロングセラー商品


バーミックス」という調理器具をご存知でしょうか?
1954年にスイスで販売され始めた、ハンディ・フードプロセッサー。つまり、手に持ってコップや、なべに先を突っ込み、具材を細かくしたり、かき混ぜたり、泡立てたりできる調理器具です。

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このバーミックス、日本では、じわじわと人気が出てしかもとても息の長い商品です。
私も25年ほど前に購入して、重宝して使っています。

実は、この夏久しぶりに使おうと思ったら、回転しない。
そこで、困って電話をしてみました。

25年も前のものなら、通常の家電であれば「もう部品がないので修理できません。」と言われるのが普通。しかし、このバーミックスの日本総代理店をやっている「チェリーテラス」という会社は一味違う。
当初から、「良いものを長く使う。」という代表の井手櫻子さんの考えのもと、まず、長くいいものを続けて作っている会社のものしか扱わない。そして、日本国内でも、とにかくアフターサービスを長年にわたってきちっとすることを理念としている。

従って、電話での対応も「長く使っていただいてありがとうございます。」というもので、そのほか修理を出さなくても、お金がかからなくてもいいように、色々オペレーターの方が対応してくださった。

結局、自分では治せず、修理に出すことになった。修理代も結構かかるけれど、捨てる気にならない。
なんというか、会社の人も、私たちもこのバーミックスという商品にとても愛着を持っている。
その気持ちが共鳴しているようなのです。

ステキなメッセージ入りのノートブック


修理が戻ってくると、そこにはチェリーテラス特性のお猿さんのノートブック。
やさしい、やわらかいGuido Scarabottoloの絵。

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そこに、代表の井出櫻子さんのメッセージが書かれている。

そこに
「思考力、一番大切にしたい。尽きることのない大きな資源です。」
と書かれている。

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そう「考えることをやめてはいけない。」
これが当たり前と思うことは、なんともつまらないことではないか。

バーミックスという商品が、なぜロングセラーなのか、わかるような気がする。
「良いものを長く、愛着を持って使う。」
その気持ちよさ、シンプルだけれどやさしさに満ちた人間らしさ。

ジュエリーもきっと同じ、長い長いあいだアフターサービス、メンテナンスができて初めてジュエリーなのです。

きっとそれが本来の人がものを買ったり、使ったり身につけたりする満足感ということなのだと思う。

そして、そういったものを提供するためにも「考えることをやめてはいけない。」

考えよう、ほんの少し、自分のこと、人のこと、仕事のこと、社会のこと。
少しなにか、私でもできることがあるかもしれない。

年の瀬に思う。

シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

物を買う楽しさと難しさ ジュエリーの買い方から考える

買うということの難しさ


ジュエリーなどの高級品。
特に、車や家などの必需品ではないものは、実は売るのも確かに大変なのだけれど、買うほうもかなり心構えが必要だということを教えていただいています。

それは、スマートで粋なお客様に出会うたびに思うこと。

お金があって、そのお金を出せばいいというものでもない。
どうやって買うか?
出すお金に、どうやって意味づけをするか。

実際に、本当に自分が欲しいものを手に入れるためには、実はお客様の努力もすごくて、特にオーダーなどを受ける場合それを感じます。

本当に欲しいものを手に入れるための努力


これは、作家を育てるとか、芸術家のパトロンになるという感覚と近いのかもしれないのですが、お金持ちがそのお金をいかに使っていくかは、その人の人間としての値踏みをされているようで、お金がある人も楽ではないなと、実際のところ感じます。

粋でスマートなお客様というのは、オーダーなどの欲しいものに対しては、まるで仕事のように熱心に、相当忙しい中を時間を割いて「ああつくろう、こうつくろう。」「こういうアイデアがあるんだけれど、どうだろうか?」と熱心に提案をしてきます。

おそらく、ご自分の中で優先順位を決めていて、なぜか仕事と同等に情熱を注ぐ。

それは、ある意味で自分が欲しいものを手に入れる、というのと同時に、私たち販売するもの、ものづくりをする者を育てていってやろうという気構えがあって、そのプロセス自体を楽しんでいるように思います。

しかし、そういった意識の高いお客様の要望に応えられる人間は少なく、かなりの確立で「失敗してしまった。」と思うのかも知れない。

売る側、つくる側の心構え


したがって、私たちはそれに答えられるよう、情熱をもって、あるいは出来るだけのことはして仕事に挑まなければいけない。
実に身のしまる想い。

実は私たちにとっては、1円のお客様も数千万のお客様も平等だと思っています。

だからこそ、常に緊張感がある。

粋にお金を使う方、一生懸命お金をためてジュエリーを買いに来てくださる方、そのどなたも色々な人生模様を感じて、「ああ人っておもしろいな。」と感じる一瞬です。

「ジュエリー」もう要らない。
という人に最近結構お会いしますが、それも全うなご意見。

色々、ぐちゃぐちゃ取り混ぜて、様々な人たちの悲喜こもごもが、ジュエリーを通して見えるのです。

シンコーストゥディオ/ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)

代表 米井亜紀子

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